「ものかたり」はブックスペースを併設した展示ギャラリーであり、弊社の活動拠点です。
拠点を置く秋田県五城目町は、かつては秋田と北東北とを結ぶ陸上交通の要所として、また日本列島各地の文化が混ざり合う海上交易の交易圏として朝市が栄え、交流地点としての役割を担いました。
「ものかたり」は、現在も朝市が開かれる町の中心部に位置し、その外観は一見すると町並みに溶け込んでいます。しかし屋内は連なる客間と長い土間からなる長屋の構造を活かして、ゆったりとした空間が広がる一方で、雪害を防ぐ屋根に覆われた雪国ならではの「内蔵(うちぐら)」があります。ギャラリースペースでは異なる文化が入り混じる建築の特徴、余白の感じられる空間を活かした展覧会・ワークショップ・トークイベント等をおこなっています。
地域には、必ずしも同じ価値観を持つ人ばかりが暮らしているわけではありません。だからこそ、枠も垣根も越えて物事を深く見つめられる、あるいは役割や肩書きに縛られずあるがままの自分を表現できるミュージアムのような場所が必要なのではないでしょうか。
分かりやすい「意味」や「価値」がなくとも、訪れた人が自由に考えられる余白によって、それぞれの内面に新しい視点や発想の「タネ」が蒔かれ、やがて芽吹いていく。そのような場を目指しています。
ものかたりHP:
https://mono-katari.jp/
参考記事:
「よく知る故郷にはじめて出会うための装置」― 小熊隆博
https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/kaze/5489/
「ミカンセイ教室」は、子どもだけでなく、大人もまた感性が未完成な人=『ミカンセイジン』として、お互いの表現を認め合える親子向けアートスクールです。
本件は、世界中から学生が集まり、少人数教育、海外留学などを通じて国際教養教育を推進する国際教養大学が秋田県内の企業や地域と連携するラーニングプログラムの一環として実施しました。この授業は、「サステナビリティ学」を専門とする同大学准教授・工藤尚悟氏が担当し、学年・専攻の異なる学生が2泊3日で五城目町をフィールドに演習を行いました。