本プログラムは秋田公立美術大学が、県内4地域(秋田市・男鹿市・五城目町・横手市)と連携し、アートと社会を繋ぐ「アートマネジメント人材」を育成する講座で、みちひらきでは、2年間に渡り五城目エリアのプログラム企画および地域コーディネートを務めました。
五城目町では、公募した受講者が「里山地域の暮らしに息づく生活文化のなかに、芸術資源を探る」
というテーマでフィールドワークを行いました。
講座とはいえ、受講者は分かりやすい”成果”を求められることはなく、地域で出会った人々の語りに耳を傾け、生活者の視点で書き残されたさまざまな記録と向き合い、それらを「ものかたり」を会場に、非言語の手段(=展覧会)で視覚的に伝えるという経験をしました。
本活動を通して、誰かに価値づけられた芸術作品や文化財だけではなく、地域の風土が表れる生活そのものの記憶に眼差しを向けること、そしてそれによって拓かれる未知なる可能性に目を凝らすことの重要性を実感するに至りました。
展覧会アーカイブ記事:
「ど思ったば、カケラだった」展
https://mono-katari.jp/archive_item/doomottaba-kakera-exhibition/
参考記事:
芸術活動で「古きを訪ねる」とは ― 秋田県五城目町
https://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/fushinjo/4173/
「旅する地域考」は、全国から公募した受講者、国内外のゲスト・メンター、運営チームがともに秋田県内各地を旅しながら「地域」を問い直す滞在型ワークショップです。
創業1688年、江戸時代から五城目で酒造りを続け、2021年に333年の節目を迎えた福禄寿酒造。十六代目蔵元・渡邉康衛氏の「節目だからと声高に「らしさ」を強調するよりも、まずは自分たちが振り返る機会にしたい」という意向を受けて、みちひらきでは「五城目の風土を表現する酒造りを目指して、未来に継ぐべき原点を問い直し、蔵のこれまでの歩みを振り返る」展覧会を共同プロデュースしました。
秋田公立美術大学附属高等学院は全国でも数少ない、美術・工芸・デザインの専門教育を学べる専修高校として、各種公募展の参加・地域連携活動など多彩な教育活動を実施しています。本件では、同校ビジュアルデザインコースの卒業制作課題として、町で活動する人の夢・未来の妄想をデザインで表現する地域プログラム「五城目のデザイン」を共同開発しました